先日、知人が他界した。
いろんな事情で私と義母がご飯の炊き出しに行くことになった。
イスラム教では24時間以内に埋葬する必要がある。
朝3時ごろ知人は他界。
病院でいろんなことは済まされ、エルラシディアの病院からメルズーガの自宅に戻ったのは昼の3時頃。
自宅についても家の中には入らない。
男の人たちのみでお墓へ行き埋葬する。
女たちは、車を見送り、そのまま男たちが埋葬から戻るのを外で待つ。
埋葬は仰向けではなく、右側臥位。
3日後、女たちはお墓参りに行く。
私も一緒に行った。
お墓には、暮石とまではいかないが、平らな石が置いてあり、そこに名前が記してある。(こういう石ではなく、ただの石だけ置いてあるところもある)
お墓の周りに座り、お祈りをする。
みんながいつでも飲み食いできるように水とナツメヤシとムスンメン(パンみたいなもの)を持って行く。ある人は、お菓子やクスワ(モロッコの歯磨きの一種;木の皮)を持参し、みんなに配っている。
これらは、イスラムでいうサダカ(喜捨)にあたり、欲しくなくてもみんないただいいておく。
ある人は、ついでに親族の墓参りもしており、汲んできた水をお墓にかけていた。
月経中の人は、墓地には入れない。
モロッコでは、3日間来客者へ、3度の食事とお茶菓子とお茶を振る舞う。
3日間、家族はもちろんのこと、炊き出しをする人たちも、来客者も故人の最期を共に語り哀しみ合っていた。モロッコには、グリーフケアという考え方はないが、これはグリーフケアだなと感じた。
3日過ぎても来客者はたえることはなく…
みんなは、寂しくならないように訪問しているんだろうけど、親族はゆっくりする間がなく大変じゃないのかな…
お祈りの言葉は違ったり、立派な葬式というものはないけど、お墓参りの仕方や人が集まり故人を悼むところは、仏教(私の実家は浄土真宗)と似ていた。
宗教は違っても根本的なところは、皆共通しているんだなと思った。
3日間三桁はこす来客者があり、よく挨拶し、よく働いた。
みんなの会話は、故人の話はもちろんのこと、必ず私の話題にもなっていた。
「あいつは、どこの誰だ」と…
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